お世話になっております。
いわたさん です。
今回の記事では、
新入社員のOJTで
理解しておくべき
行動の「強化」「弱化」を
ご紹介します。
今回の記事では、OJTについて
望ましい行動を引き出すための
強化/弱化について紹介します。
OJTで知っておくべきポイント
OJTの特性を知る。
最初に「手順」ではなく「目的」を教える
教える業務を標準化しておく
行動は「強化」/「弱化」で学習される
成長曲線を知り、忍耐する覚悟を持つ
業務でも一番重要なことは「信頼」
OJTを開始する前に、
最低限知っておく、
準備しておくべき
ポイントを整理しました。
これらのポイントについて
理解し、準備しておかなければ
効果的なOJTはできません。
1.そもそも、業務における教育とは何か
「業務における人材育成」とは、
何をすればよいのでしょうか。
「業務の本質」を踏まえて、
表現してみてください。
※業務の本質(本サイトの定義)
-----シンキング タイム!-------
考えた方は下へスクロールしましょう。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
↓
・作業の手順を教える
・作業のやり方を教える
・作業のコツを教える
・業務に必要な知識、
資格を習得させたり、
研修を受けさせる
・業務を行う目的、手順を
理解させる
・リーダーシップを
身に着けてもらう
・・・など、様々な意見が
出ると思います。
私は、「業務における教育」を
以下のように定義しています。
①メンバーが
「成果物」を得るための
「望ましい行動」を
行えるようになる/増やす。
②メンバーが
「成果物」を得る過程で
「望ましくない行動」を
減らす/行わないようにする。
「望ましい行動を増やす」、
(行動科学を使ってできる人が育つ! 教える技術 石田 淳 著 より)
「望ましくない行動を減らす」という
考え方はこちらの書籍から学びました。
2.知っておくべき、「行動分析学」!
部下や後輩に対して教育を行う際、
「ああして欲しい」、
「こうして欲しい」といった
部下や後輩に対して行ってほしい
『望ましい行動』が有ると思います。
この、『望ましい行動』を引き出すのに
とても重要な学問が行動分析学です。
行動分析学は、【人の行動】に着目し、
どのような環境や状況で、
人の行動が起こるか、変化するか
といったことを研究している学問です。
人は簡単に変わらない…
というのが通説です。
確かに、人の考え方や
人格を変えるのは難しいです。
しかし、行動分析学を応用すれば、
『人の行動』を引き出したり、
抑制したりすることはできます。
ここでは、『行動分析学』の中でも
基本であり重要な、『行動の強化』
『行動の弱化』について紹介します。
3.行動の「強化」「弱化」
繰り返しになりますが、
業務における教育とは、
以下の2点を行うことです。
①メンバーが
「成果物」を得るための
「望ましい行動」を
行えるようになる/増やす。
②メンバーが
「成果物」を得る過程で
「望ましくない行動」を
減らす/行わないようにする。
この行動を「増やす」、
「減らす」方法として
行動の「強化」、
行動の「弱化」という
考え方が有ります。
行動分析学において、
人が行動を繰り返すかどうかについて、
人間は「行動」により得られた
(行動科学を使ってできる人が育つ! 教える技術 石田 淳 著 より)
「結果」・「反応」によって、
また同じ行動を行うか、
再び同じ行動を行わないかを
習慣づける特性が有る。
ということを実証しており、
これを 行動の強化/弱化と呼んでいます。
簡単に言い換えると、
次のように表現できます。
人はメリットがあると
行動を繰り返す。
人は、デメリットがある、
または無反応だと
行動を繰り返さなくなる。
例として、次のようなことが
挙げられます。
行動の強化
・テストの点が良くて褒められた
⇒次もテスト前の勉強を頑張る。
・パチンコで勝った
⇒またパチンコ屋さんへ通う。
行動の弱化
・信号無視で違反金を取られた。
⇒信号無視をやめるようになる。
・自販機が壊れていて飲み物が出なかった。
⇒その自販機での買い物を
行わない。
(たとえ修理が終わっていても、
使用を避ける傾向が出る。)
業務に置き換えると下図の通りです。
行動を繰り返してもらう、
あるいはやめてもらうように
何かしらの反応を与えることで
他人の行動の傾向を
変化させることができます。
図で述べている、
「強化」のための欲求の充足 や
「弱化」のための叱責、罰について、
どのように強化、弱化を
行うべきか…については
ボリュームが大きいため
別の記事で紹介していきます(作成中)。
この、行動の強化、弱化は
使い方、使いどころを間違えると
望ましい行動が減ってしまったり、
望ましくない行動が増えてしまう
ケースが有るので注意が必要です。
誤った行動の強化①
・部下の「組織に対する
ネガティブな発言」に
同調した。
⇒部下が同調してもらえたことに
喜びを感じて、
「ネガティブな発言」を
繰り返すようになった。
誤った行動の強化②
・上司の仕事の不手際を
部下が陰でフォローを
繰り返した。
⇒上司が不手際を放っておいて
何とかなること(メリット)を
覚え、(※無意識・無自覚)
不手際を放置するように
なった。
誤った行動の弱化①
・部下のミスを上司が
激しく叱責した。
⇒部下が上司にミスを
報告をしなくなり、
上司の知らないところで
問題が大きくなっていた。
誤った行動の弱化②
・品質異常を本社に報告した際、
多くのチェックや再発防止策の
手間や負担が増えた。
⇒現場が製品の品質異常の
報告を本社に行わなくなり、
結果的に、品質異常の
隠蔽が起きてしまった。
4.教育をする前に「●●●●●●●」を定義する
先ほどの章で説明した通り、
業務における教育とは
以下の2点を行うことになります。
①メンバーが
「成果物」を得るための
「望ましい行動」を
行えるようになる/増やす。
②メンバーが
「成果物」を得る過程で
「望ましくない行動」を
減らす/行わないようにする。
従って、業務に関する教育を行う際は、
次の2点を定義しておく必要があります。
①「強化」すべき
「望ましい行動」
②「弱化」すべき
「望ましくない行動」
ここでは、業務における
「望ましい行動」、
「望ましくない行動」を
どのように定義すれば
よいかを考えます。
手順は下記の4ステップです。
①業務の「目的」を明確にする
まずは、教える業務に対して、
業務の本質を捉えておく
必要があります。
教える業務の本質を捉える
最初のステップとして、
業務の「目的」と「相手先」を
明確にします。
まずは、教えたい業務に対して、
「何をするために、
誰に対して行う業務なのか」を
教える人自身がハッキリと
させておきましょう。
そして、その認識が正しいかを
組織の上長や、他のメンバーとも
認識合わせを行ってください。
キーワード | 意識すべきこと |
---|---|
相手先 | 誰に提出するものか (最終の提出先) ・どのような言葉で伝えるか ・相手がどのレベルまで 業務に関する情報を 知っているか。 |
相手にして もらうこと | 相手に何をしてもらうか ・判断、決議 ・商品の購入 ・検査などの合否の判定 ・業務の委託 ・製品の作成 ・相手の上司への説得 など |
相手先の成果物の 目的・用途 | ・相手がどのような情報を 求めているか ・相手が成果物を誰に対して どのように使うか |
目的を明確化する重要性は
こちらの記事で紹介しています。
②必要な「成果物」と「必要なモノ」を明確にする
次のステップでは①で挙げた
目的に対して、業務を行い
どのような成果物を生み出すか、
その成果物と必要なモノを明確にします。
成果物
キーワード | 意識すべきこと |
---|---|
成果物の目的 | 目的は何か(上表) |
成果物の形式 | どのような形式が効果的か ・資料or表orスライド ・簡易的or詳細が必要 ・概念or専門的 |
締め切り | いつまでに提出が必要か |
必要なもの(インプット、効率、協力者)
項目 | キーワード | 意識すべきこと |
---|---|---|
インプット (自分自身) | 必要な情報や物 | 成果物を得るのに、どのような 情報や物が足りていないか |
効率 | 活かせるツール | 早く終わらせる手段・ツールは何か |
協力者 | 専門家 | 誰に相談・依頼したら 早く終わるか |
手順①、②の目的、成果物、
必要なモノの考え方の詳細は
こちらの記事で紹介しています。
③「成果物」を得るプロセス(手順)を明確にする
「成果物」、「必要なモノ」を
明確にしたら、
どのような手順で「成果物」を
作っていくかを明確にします。
業務とは、
ある「目的」を達成するために
必要な「成果物」を得るための
プロセス。 であり、
業務の過程・工程には「成果物」を
得るための多くの「行動」が伴います。
この、多くの行動を「手順」として
定義します。
そして、この「手順」について、
・行う行動=「望ましい行動」
・NGな行動=「望ましくない行動」と
なります。
この際、留意すべき点があります。
それは、なるべく手順を「具体化」
しておくことです。
手順が具体的でないと
以下の不具合が発生します。
教える人、教わる人の
認識が合わない。
教える人が変わる度に
手順や解釈が変わる。
具体化する方法は、
こちらの記事を参考に
してください。
④「手順」を「標準化」する
「望ましい行動」と
「望ましくない行動」を定義する
最後のステップは「標準化」です。
標準化のステップでは、
③で具体的にした
「手順」=「行動」を
誰でも同じように行える
仕組みを作ります。
業務標準化とは、
https://www.jmac.co.jp/glossary/2016/10/standardization-of-operation.html
業務効率、業務品質、
安全性等の視点を
総合的に踏まえ、
最適な業務手順
(=標準手順)を
組織的に決め、
その業務手順を
徹底できている。
標準化により、
・人によるバラつきが無くす
・成果物の品質を安定性させる
・効率良く業務を行える ような
仕組みをつくり、
誰でも効率良く、質の高い業務が
できる状態を作ります。
この、標準化ができていないと、
下記のようなデメリットが発生します。
教える人が変わる度に
手順や解釈が変わる。
⇒非効率なやり方に変わる。
業務が属人化して
中身が見えない業務となる。
⇒進捗や効率の良し悪しが
わからない。
⇒他の人が業務をフォロー
できない。
標準化を行う方法の具体例として、
下記のような方法が挙げられます。
作業や手順をマニュアル化する。
チェックリストを作って
モレやミスを防ぐ。
標準化の目的や方法の詳細は
こちらの記事を参考にしてください。
まとめ
「業務における教育」とは…
①メンバーが
「成果物」を得るための
「望ましい行動」を
行えるようになる/増やす。
②メンバーが
「成果物」を得る過程で
「望ましくない行動」を
減らす/行わないようにする。
人の性格や人格を変えるのは難しいが、
人の行動の傾向は
「行動の強化」、「行動の弱化」で
変えることができる。
業務を教える前に、その業務の
目的、成果物、手順を明確にして、
標準化を行っておくことで、
次の2点を定義しておく。
①「強化」すべき
「望ましい行動」
②「弱化」すべき
「望ましくない行動」
今回の記事は以上です。
長丁場お疲れさまでした。
お役に立てていると
うれしいです。