API、RPAなどの電子処理の効率化や、生成AIの進化により、
これまで人間が行っていた事務作業や単純作業が
急速にヒトからITへと置き換えられていくことになるでしょう。
この変化は企業の運営に大きな影響を与え、特に間接部門の意義、
在り方も変化していくことでしょう。
本記事では、ホワイトカラー業務の現状とAIによる代替可能性、
そして新たな時代を迎えるために必要な戦略を探ります。
ホワイトカラーの仕事とは
ホワイトカラーとは、いわゆる「間接部門」とも呼ばれる部門の業務です。
間接部門とは、企業の売上に直接結びつかない業務を担う部署で、
事務作業、経理、総務、営業サポートなど、
主にデスクワークを中心とした業務に従事しています。
これらの仕事は生産ラインや顧客対応など売上に係るものを
直接担当する部門ではないため「間接部門」と呼ばれてます。
ホワイトカラーの仕事の特徴は、情報の処理や管理、調整といった付加価値を提供することです。
しかし、ITやAI、ロボットの進化により、これらの業務が効率化されつつあります。
そのため、企業はホワイトカラー業務の必要性を再評価し始めています。
ホワイトカラーの仕事は顧客への価値を生まない
多くのホワイトカラー業務は、顧客に直接的な価値を提供するものではありません。
経理や総務といった部門の役割は重要ですが、
それらが売上を直接的に生み出すわけではありません。
顧客が求めるのは製品やサービスの質であり、
間接部門の作業はそのためのサポートに過ぎません。
このような間接的な業務は、システム等を活用した業務効率化や
外注化によってコスト削減が進められてきました。
そして現在、情報技術が急速に進化し、
間接部門に従事する人員が削減される流れが進行しています。
ホワイトカラーの仕事はAIで代替できる
情報技術の進歩や普及により、間接部門の業務はどんどんと効率化しています。
一昔前はAPIやRPAが話題となり、
近年ではノーコードプログラム、AIの進化により、
データ処理や分析などが迅速かつ正確に行われるようになりました。
導入が進んでいる情報技術 | 用途 |
API (アプリケーション プログラミング インタフェース) | アプリ同士の連携の自動化 例:POSレジと会計システムの連携 他社チャットアプリとの連携 複数のSNSの連携投稿 など |
RPA (ロボティック・プロセス・オートメーション) | パソコン上のルーチン業務の自動実行 例:伝票処理、メール送信・応答 など |
ローコードプログラム ノーコードプログラム | 最小限の知識で自動化プログラムを作成 |
AI (人工知能) | 文章、画像、スライドなどの自動生成 プログラムの自動作成 紙面の書類の自動読込みと電子化 傾向の予測(機械学習) 顧客サポート対応(チャットボット) |
これらの技術の普及により、人間の介在が不要になる場面が増えています。
そして情報技術ができることは、単純作業だけでなく、
意思決定の一部にまで及んでいます。
AIは膨大なデータを分析し、適切なアクションを提案できるため、
人間の手をほとんど必要としない環境が整いつつあります。
その結果、ホワイトカラー業務の多くが代替される可能性が高まっています。
ホワイトカラーの生き残る道とは?
様々な情報技術が台頭する時代において、現在間接部門に所属する人、
すなわちホワイトカラー人材が生き残るためにはどうしたら良いでしょうか。
結論から述べると「企業や顧客に対して価値を提供できる人材である」ことが
生き残る条件であると言えます。
生き残れないホワイトカラー人材
・AIと同じ作業をしている
→ AIが短時間かつ無料でやってくれる
・確認、承認、回覧が定常業務
→ ミスの自動検知が発達してきている。
→ 社内の手続きは過疎化される。
生き残れるホワイトカラー人材
・直接部門が成果を出すための支援ができる
→ 業務に関する理解ができている
→ 情報・状況を把握して適切な判断ができる
→ 提案ができる(論理的視点、創造的視点のどちらも必要)
・自身の業務や成果に対して責任を取れる
→ 情報技術そのものは責任を取れない
・不確定要素の多い業務に対応できる
(現場とITをフル活用)
→ 経営者
→ 組織やプロジェクトの管理者
→ ヒットを生み出せる企画担当者
ITが進化・不急する時代を生き残れる人材となるために…
これからの時代、AIができない、及ばないことが人間に求められ、
より一層、判断力、コミュニケーション力、マーケティング力などの
様々な能力をもつことが求められていきます。
ですが、それ以上に人間に求められる素質があります。
それは、「業務そのものの本質を理解すること」です。
ビジネススキルを得るためには、
まずはビジネスそのものを理解する必要があります。
もし、「業務そのものの本質」を理解せずに
スキルを習得してしまうと、そのスキルは断片的なモノとなり、
「ある場面ではスキルを活用できるが、
その後にどうしたらよいか分からない。」
といった状況に陥ります。
AIも同様で、AI単体でできることはあっても、
それを自身の業務で活かし、価値や利益を生み出すことまでは
実行してくれません。
これこそ、業務そのものを理解した人にしかできない
組織内での価値提供です。
このサイトでは、業務の本質そのものに迫りながら、
必要なスキルやマインドセットを行っていくために開設しました。
是非、サイト内の記事を活用してください。
AIの普及によりホワイトカラー業務のあり方は大きく変化しています。
しかし、この変化は危機であると同時に、
本当に価値を生み出せる人材へとステップアップするチャンスでもあります。
時代の変化を受け入れ、共に成長していきましょう。