本ブログでは、これから
改善に取り組む方々
(特に、若手~中堅)に
私の学びを共有し、読者の方が
最短ルートで業務効率化のヒントを掴んで
個々の業務に活かしていき、
日本の生産性を上げられたらイイね!…
と思い、執筆させていただいています。
私の失敗談
皆さんは業務を進めているとき、
次のような経験をしたことが
あるでしょうか。
・言われたとおりに
仕事を進めたが、
自分のやっていることが
何の役にたっているか
よくわからない。
・プロジェクトが開始されたが、
どのように業務を進めていけば
よいかわからない。
・改善を行ったが、
いまいち成果に
結びつかない。
私自身も同じような経験があります。
(特定防止のため、
一部フェイクを含みます。)
ある化学プラントの管理の
業務効率化を行うために、
「設備管理におけるIT技術の導入」を
進めていました。
転職前の職場ではITが進んでいたので、
どのような機器や設備を
導入すればよいか、
ある程度見当がついていました。
そこで、機器やPCソフトの
導入・構築を進め、
設備のデータ収集・蓄積の自動化と
遠隔監視を達成しました。
しかし、これらのIT技術を導入した結果、
組織にもたらされた効果は次の通りでした。
結果①
点検データが自動収集を
できるようにして、
業務の負荷が減ったはずなのに
なぜだか皆が忙しそう。
(点検データの8割は自動収集
しているのに、
何故か余裕が無い…)
結果②
自動収集・蓄積された現場の
データが活用されていない。
(豊富なデータがあるのに
昔ながらの「行き当たり
ばったりな操業」が続いた。)
結果③
それどころか、設備の
トラブルが増加した。
(改善したはずが、
状況が悪化?!)
IT技術を導入したのに、生産性が上がらなかった…
会社からのミッション(目的)は
「設備管理におけるIT技術の導入」でした。
改善活動(IT技術の導入)を行った結果は
次の3点のとおりでした。
先ほどの結果について、
実態を確認すると…
・実際に業務の負荷が大きいのは
「点検」ではなく、
資料作成や情報共有、根回し等の
「社内政治の手戻りが多い」こと
であった。
・現場データの山があるのに、
今まで通りのやり方
(その場・その時限りの点検)を
変えていなかった。
・点検が自動化したことで、
「現場を見に行く機会が減った」
→設備の異常に気付かず
故障した。
失敗から気付いた業務の○○
なぜ、このような結果に
陥ったのか。
その答えは
「業務の目的」が
不明瞭であった。
という結論に至りました。
私(会社含めて)の業務の改善の
進め方は
「IT技術を導入せよ!」という
「目的」を全面的に出して、
「IT技術を導入しました!」という
ゴールに向かって改善を進める。
というものでした。
この文章に違和感を覚えた方は
ハイセンス!
「IT技術を導入すること」は
「目的」ではなく「手段」です。
本来、改善を行う際の目的とは、
ある困りごと
(あるいは将来困ることが
予想されること)が
生じて課題となり、
その課題を解決することが
ゴール=目的である と
言えます。
つまり、「改善の目的=課題の解決」で
なければならないのです。
本来の目的
「○○で困っているから、
その課題を解決する」
例を挙げるとこのような感じです。
例
・労働環境
⇒人手が足りない、
残業時間が多い、
業務の負荷が大きい
(体力、安全、精神)
・歩留まり向上
⇒原材料のロスが多い、
製品の品質が安定しない…
・コスト削減
⇒機械がよく壊れる、
外注作業を内製化したい…
私の今回のケースでは、
「IT導入は目的ではない」ことを
理解するまで、「改善が進まない」という
ドツボにハマり続けました。
もし、「改善の目的=課題の解決」
ということを意識して、
本来の目的を以下のように捉えると
改善の手段やアクションが
変わっていたのかなと思います。
【本来の目的】
省力化
⇒他の経営改善のための
業務に注力する。
【改善の方針】
省力化
⇒極力業務を自動化して
時間を生み出し、
その時間で、労働時間を
減らすための
教育や改善を行う。
【本来の目的】
コスト削減
⇒設備トラブルの防止
【改善の方針】
コスト削減
⇒現場のデータを収集して、
設備が故障しないよう
予防保全を行う仕組みを作る。
※その一環として設備管理への
ITの導入を行う。
このように、「本来の目的」が
きちんと定められていれば、
ゴールは課題に直結したものとなり、
改善活動を組織の成果に
繋げることができます。
皆さんの会社や組織ではいかがでしょうか。
このような
「本来の目的が定められていない」、
「手段が目的と化している」といった
状況は往々にして見られます。
では、業務をうまく進めていくには
どうしたらよいか。
本来の業務の「目的」にフォーカスして
考えていきましょう。
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