広告 業務改善 ECRS 5S

業務改善の進め方-③ECRSのR(交換・組み換え)

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今回はECRS(イクルス)のR、
「Rearrange:交換・組み換え」
について、
私が意識していることを紹介します。

おさらい ECRSの法則とは

前回の記事のおさらいです。
前回は、「ECRS(イクルス)」という
考え方を紹介しました。

このECRSについて、
それぞれの頭文字の意味は
以下の通りです。

Eliminate:排除
 ⇒仕事や業務を廃止する

Combine:結合
 ⇒仕事、成果物を結合してまとめる
  あるいは分離して簡素化する

Rearrange:交換
 ⇒人、モノ、方法を変えることで効率化

Simplify:簡素化
 ⇒複雑な業務を誰でも簡単にできるようにする

改善の効果:E>C>R>Sであり、
改善の順序:E→C→R→Sで行うことが効果的。

ECRSの「R」 Rearrange(交換・組み換え)

「Rearrange:交換・組み換え」の工程では
「人、モノ、方法の配置の最適化」を行います。

「人」、「モノ」、「方法」それぞれについて
私がRearrangeで意識していることを紹介します。

「人」のRearrange(①社内の人員)
 ⇒誰が行うのが最適かを考える。

人の配置を決めるうえで、
その人の「スキル・得意分野」や
「経験・キャリア」をもとに
業務の割り振りを再検討します。

ある業務の担当者が、
その業務が「不得意分野」で
ありながら、続けていると
「効率が悪くて時間がかかる」、
「成果を出しにくくモチベーションが
 維持できない」といった
デメリットが発生
します。

「○○さんが、この分野でも
 活躍できるように…」と
苦手分野にも取り組ませることも
重要ですが、
組織に余裕が無い場合は
デメリットの方が
大きくなる悪手です。

メンバーの苦手分野の克服は、
「得意な人に業務をこなしてもらいつつ、
 標準化ができてから」行う方が
下記のメリットがあり効果的です。

 業務を標準化ができてから
 苦手な人に覚えてもらうと…

 ・苦手でもある程度の
  効率・品質で業務を行える。

 ・苦手でも成果が出せて
  モチベーションが上がりやすい。

標準化については次回の記事で紹介します。

「人」のRearrange(②社外の専門家)
 ⇒社外委託(アウトソーシング)の検討

思い切って社外委託するということも
 Rearrangeの手法の一つです。
 (アウトソーシング)

 「餅は餅屋」という言葉があります。
 社員で行っていると難しいこと、
 時間がかかること、
 忙しくて対応できないことは、
 思い切って社外委託することも
 手段の一つと言えます。

 「清掃を清掃業者に委託する」のも、
 その一例です。

 最近では、様々な作業や分野に特化した
 アウトソーシングサービスが有ります。

(例)社内イベントの企画・運営の代行、
   棚卸(スペシャリストの超速作業)など

「モノ」のRearrange 5Sによる時間削減

5Sを行って、「モノを探す時間」

 業務の中で、モノを探す時間は意外と多いです。
 コクヨが2017年に行った調査では、
 1人当たりの書類を探す時間は、
 1日平均約20分という結果が出ています。

 これを1年間に換算すると、約80時間に相当します。

 詳しくは、「コクヨ モノを探す時間」で
 検索してみてください。

「モノを取りに行く時間」を最小化する

 モノを取りに行く時間も
 Rearrangeで効率化できます。

 5Sを徹底してモノや作業場の
 配置を変えることで
 作業のスピードが向上することが
 有ります。

モノの5Sのポイント

モノの5Sのポイントは以下の通りです。

S資料・ファイル工具・用具
整理

・不要なものは捨てる。

・保管期限を定めて、
 誰でも要否の判断が
 できるようにする。
・使わなくなったモノは捨てる。

・在庫過多にならないよう
 最大保管数量を定める。
S資料・ファイル工具・用具
整頓

・紙ファイルや
 電子ファイルの
 保管の方法を
 組織で統一する。

・内容と作成日が
 わかるよう、
 ファイル名や
 表紙を工夫する。

・モノを取りに行く時間を
 最小化できるように、
 作業動線とモノの配置を考えて
 よく使うものは作業場から
 取りやすい場所に保管する。

・モノの有/無がわかるように
 極力オープンな収納を使う。
 (オープンラック、透明引き出し)

・モノを探す時間を最小化できるよう
 モノの保管場所マップを作る。

・モノの保管場所には表示をつける。
 →場所がわかる。
 →使用後に正しい場所に帰ってくる。
S資料・ファイル工具・用具
清掃
清潔

・紙も電子ファイルも
 数が増えていくと
 ルールを定めていても
 不要なものが増えたり、
 バラバラになったり
 することが有るので、
 定期的にファイルの
 整理・整頓を行う
 時間を設ける。
・モノを使いたいときに、
 きちんと使えるように
 定期的に整備・メンテナンスを行う。

「方法」のRearrange

業務のやり方を変えることで
効率化を図ります。

「方法」のRearrange ①待ち時間の長い工程から取り組む

 業務内に「相手先の返答待ち」や
 「部材の入荷待ち」、
 「放置して○時間」等の工程がある場合、
 その工程による待ち時間
 (=リードタイム)で
 業務がストップすると
 もったいない時間が
 発生してしまいます。

 待ち時間を極力なくせるように
 「回答を求める」、
 「部材の発注」、
 「前準備」などは
 極力早い段階で済ませて置き、
 そのあとで他の工程を進めることで
 効率化できることが有ります。

 この考え方で役に立つのが
 アローダイアグラムです。
 様々な書籍やサイトで紹介されています。
 検索してみてください。

「方法」のRearrange ②動線を意識する


 ある業務の一連の流れを見たときに、
 「効率的に」人・モノが動いているかを
 意識してみてください。

 モノや人が行ったり来たりしている状態は
 効率的であるとは言えません

 行う順序を変えたり、
 モノや作業場の配置を変えることで
 作業のスピードが向上することが有ります。

 特に、継ぎ足しを繰り返して
 設備や作業場の追加をおこなってきた
 現場や事務所では「動線の見直し」による
 効果が期待できます

最後に

Rearrangeは比較的容易な方法で、
小集団活動による改善にも向くECRSの工程です。
部下や後輩の育成の場にも活用していきましょう。

ECRSの「R」 Rearrange(交換・組み換え)のポイント

「人」のRearrange
 ①社内の人員⇒誰が行うのが最適かを考える。
 ②社外の専門家⇒社外委託。

「モノ」のRearrange
 5Sを行って、「モノを探す時間」
 「モノを取りに行く時間」を最小化する

「方法」のRearrange
 ⇒業務のやり方を変えることで効率化を図る。
 ①リードタイム(待ち時間)の
  長い工程から取り組む
 ②動線を意識する

次回はECRSのSについて紹介します。

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  • この記事を書いた人

いわたさん

【プロフィール】
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