前回の記事の続きです。
呼んでいない方は
下記のリンクから
お読みになってください。
さて、前回のおさらいです。
「本来の目的が定められていない」、
「手段が目的と化している」と
いった状況では、
どんなに素晴らしい技術を導入しても、
いくら改善を頑張っても
組織の成果には繋がりません。
業務に対して「目的」が
きちんと定められていれば、
ゴール(=目的)は課題に
直結したものとなり、
改善活動を組織の成果に
繋げることができます。
業務とは何か、その本質を考える。
業務をうまく進めていくには
どうしたらよいか。
本来の業務の「目的」に
フォーカスして考えていきましょう。
よく、私はこれから改善活動を始める
若手・中堅の社員に
次のような質問をします。
「業務」とは、何でしょうか。
様々な業務における
共通した本質を捉えて
「業務」そのものが何であるかを
表現してみてください。
―スクロールする前に皆さんも考えてみてください。―
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この問いについて、私なりに出した答えは次のフレーズでした。
業務とは、
「ある「目的」を
達成するために必要な
「成果物」を得るための
プロセス」
この考えのヒントになったのは、
職場の問題地図 ~「で、どこから変える?」
残業だらけ・休めない働き方
(沢渡 あまね著)の書籍内で記されていた、
「目的」、「インプット」、
「成果物」、
「関係者」、「効率」の
5つの要素で仕事を
とらえるという考え方でした。引用元の著書では下図のように、
(職場の問題地図 ~「で、どこから変える?」 残業だらけ・休めない働き方 沢渡 あまね著 より)
業務の本質をとらえています。
業務における本来の目的が不
明瞭な職場では、
「業務」とは何でしょうか。
という問いかけをすると、
答えが全く出ないか、
次なような回答が返ってきます。
設備の保守管理
点検を行う。製品を作る。
事務的な業務
資料を作る。報告する。
5S活動
きれいな状態を保つ。
ここまで記事を読んだ方なら、
これらの回答が
「手段が目的と化している」と
いうことに、気付いたと思います。
業務の落とし穴!
「手段」が「目的」になる。
先ほどのそれぞれの
回答について考えると…
業務(手段):点検を行う。製品を作る。
→本来の目的(例)
・組織存続のための資金源となる
製品を安定供給する。
業務(手段):資料を作る。報告する。
→本来の目的(例)
・経営陣や管理職が現状を
正しく把握できるようにする。
・社外の人に自社製品を購入して
もらうために情報を提供する。
業務(手段):きれいな状態を保つ。
→本来の目的(例)
・製品に異物が混入し、
クレーム品とならないようにする。
・散らかっている物で他の従業員が
ケガをしないようにする。
・物を探す時間を最小化して、
残業時間を減らす。
業務の「目的」、「成果物」から業務を見直す。
皆さんも、自分が抱えている業務について、
まずは、業務の目的を考え、
求められている成果物とは何かを
考え直してみてください。
次の記事では、「目的」と「成果物」の
関係性について考えていきます。