広告 業務の本質 業務とリソース管理

ヒトというリソースの活用

広告

企業にとって「ヒト」とは、大きな影響度を持つ
重要なリソースでありながら、管理が難しい資産です。

適切に活用すれば、組織全体の生産性や成果が
飛躍的に向上します。

一方で、活用方法を誤ると、生産性の低下や不満の増加、
離職率の上昇を招きかねません。

本記事では、ヒトというリソースを最大限に活用するために
その特徴や活用方法について述べていきます。


ヒトの活用は、リーダー、管理職、役員の仕事

ヒトのリソースを活用する責任は、組織の中核を担う
リーダーや管理職、役員にあります。

この層が的確な判断を下すことで、
組織全体が円滑に機能し、
目標達成への道筋をつくることができます。

適切なリソース配分は単なる業務効率化にとどまらず、
社員の満足度やモチベーションの向上にも影響を与えます。

組織の管理監督者には、メンバー一人ひとりの能力を正確に見極め、
必要なサポートを提供する役割が求められます。

それによって組織の潜在能力を引き出し、
全体の成果を最大化することが可能です。


ヒトのリソースの基本は適材適所

適材適所は、ヒトのリソースを活用する上での基本中の基本です。

人材のスキルや適性を考慮せずに配置を行えば、
本人のパフォーマンスが低下するだけでなく、
チーム全体にも悪影響を及ぼします。

各メンバーの得意な分野を活かした配置を行うことで、
個々の社員が本来の力を発揮しやすくなります。

また、キャリア志向や興味のある分野も考慮することで、
本人のやる気や成長意欲を刺激できます。

適材適所を実現する最初のステップでは、
メンバーの興味や得意分野、キャリア志向を把握することです。


人に仕事を付けるのではなく、仕事に人をつける

「人に仕事を付ける」とは、
特定の人物に業務を割り振ることを指します。

しかし、この手法は属人化を招くリスクがあり、
組織全体の効率性を損なうことがあります。

一方で、「仕事に人をつける」アプローチは、
業務の内容や目標を明確に定めたうえで、
その時の状況を踏まえて最適な人材を
割り充てることを意味します。

この方法は、組織として一貫性を保ちながら、
個々のスキルを最大限に活かしたり、
成長につなげることが可能です。


人に仕事を付けるデメリット-成功のパラドクス、属人化の加速

特定の個人に頼る形で仕事を割り振ると、
短期的には成功する場合があります。

しかし、長期的な視点で考えると
大きなデメリットやリスクが存在します。

成功のパラドクスを生む

「成功のパラドクス」とは、****の記事で紹介した、
仕事ができる人に業務が集まり、
その人のリソースが散漫してしまうことで、
成果を出せなくなってしまうという現象です。

次世代のリーダが育たない

特定の人に業務を割り当てると、
力量がある人に業務が集中します。

その結果、組織内の数人に業務が集中し、
そのメンバーたちは業務を通じて
経験値を積むことができますが、
他のメンバーは新しい業務を任せてもらうことができません。

その結果、次世代のリーダーが育たない状況に陥る可能性があります。

属人化の加速

業務が力量がある特定の人に集中すると、
業務遂行に必要なノウハウやスキルも集中します。

その結果、「その業務は、その人にしかできない」という
属人化が起きてしまいます。

属人化が進むと、その人物が欠けた場合に業務が
停滞するリスクが高まります。

これを防ぐためにも、業務の目的、目標、やり方を明確にして、
「仕事に人をつける」ことができる組織を目指す必要があります。


巻き込む人が多いほど苦労する

プロジェクトや業務において、多くの人を巻き込むほど
調整が複雑になります。

一見すると協力的な体制が整っているように見えますが、
実際には別の課題が発生することが多いです。

社会的手抜きの発生

人が増えると、一部のメンバーが責任感を失い、
手を抜いて他のメンバーに委ねてしまう
「社会的手抜き」が発生する可能性があります。

この現象は、特にチームが大規模になるほど顕著に現れます。

これを防止するには、個々の役割や貢献度合いを見える化し、
責任感を促す施策が求められます。

コミュニケーションコストの増大

巻き込む人が増えると、情報伝達や認識合わせ、
調整などに要する時間が増大します。

下図のように、業務に携わる人数が増えるほど、
コミュニケーションチャネル(人と人の結合線)の本数が
指数関数的に増加します。

また、人が増えるほど、誤解や誤認が増えることもあり、
更に業務全体の効率が低下するリスクがあります。

業務を遂行する上で、ヒトを増やし過ぎることなく
適切な人数で管理するようにしましょう。


ヒトの活用は、難しいからこそ高給な役職者に委ねられる

ヒトのリソース活用は、単体のスキルで何とか出来るものではありません。

多くの学習や経験を経てスキルやセンスを磨くことで、
上手に活用できるようになっていきます。

そのため、ヒトの管理・活用を行う職務、
すなわち管理職や役員のような方は、
必然的に高給な役職者となり、責務が委ねられます。

その職務に就く人は、この難しい人の活用という職務に対して、
適切な判断を下し、組織全体の利益を最大化する使命があります。

あなたの職場では、いかがでしょうか。

ヒトというリソース活用の心得

ヒトというリソースの管理・活用は、非常に難しいです。
これを上手くこなすには、多くのノウハウを身に付ける必要が有ります。

ここでは、要点を絞って3つの心得を紹介します。

  1. メンバーの強みを見極める
     それぞれの社員が持つスキルや経験を深く理解し、
     適切な役割を与えることが不可欠です。
     このプロセスを怠ると、チーム全体のポテンシャルを引き出せません。
  2. 目標を共有し、ビジョンを示す
     組織の方向性を全員が共有することで、
     メンバーが自分の役割に意義を見出します。
     日々の業務に対するモチベーションを維持・向上できます。
  3. フィードバックを欠かさない
     個々の努力を認識し、適切なフィードバックを行うことで、
     メンバーが成長しやすい環境を整えられます。
     肯定的な評価や建設的な指摘によって、
     より良い成果や成長につなげていくことができます。

ヒトというリソースを最大限に活用することは、
困難であるからこそ価値があります。


組織の管理監督者の方は、その難しさと重要性を意識し、
あるべき姿を見直してみてください。

そうでない方は、今後、このような役割に就く
可能性が有ることを意識して、
スキルやマインドを身に着けていきましょう。

広告

  • この記事を書いた人

いわたさん

【プロフィール】
Name:岩田さん
Work:JTC製造業
Like:改善!
若手の頃の苦労を共有して
日本の生産性を上げたい系ブログを
書いています。

-業務の本質, 業務とリソース管理
-, , , , , ,