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なぜ「決断」できないか -「決断の本質」

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お世話になっております。
いわたさん です。

今回は「決断」について
触れていきたいと思います。

「決断」とは

「決断」・・・それは、
多くの会社員に求められる
試練の一つである…。

...と、それっぽいことを
言ったところで「決断」について
考えていきましょう。

「決断」はよく使う言葉ですが、
本来の意味を辞書で確認してみましょう!

けつ‐だん【決断】
[名](スル)
1 意志をはっきりと決定すること。
 「―を迫られる」「転職を―する」

2 正邪善悪を判断・裁決すること。

デジタル大辞泉(小学館)

会社やビジネスにおいて、
「意思をはっきりと決定する」
「物事を判断・裁決する」といった
決断は非常に重要で

決断が1日遅れれば、
仕事が1日遅れる

と言っても過言ではありません。

また、組織の中で経験を積めば積むほど、
役割や権限が与えられ、
この「決断」の機会が増えていきます。

しかし、決断が苦手な人は多く、
次のような思いをしている人が
いるのではないでしょうか。

判断ができなくて、
なかなか決めることができない。
「決断」は苦手かも・・・ 

上司がなかなか「決断」してくれなくて
仕事が前に進まない。

私も、「決断」の本質について
考えるまでは、
決断が苦手な優柔不断な社員
でした…

今回は、「決断が苦手…」、
「●●さんに決断をしてもらえない」
といった、お悩みをお持ちの方のための
記事を書いてみました。

「決断」の本質を考えて
どうして「決断」できないのか、
どうやったら「決断」できるのかを
考えていきましょう。

なぜ決断できないのか…

人が決断を行おうとするとき、
どのようなメカニズムが
脳の中にはたらくか、
皆さんは考えたことが有るでしょうか。

人が決断をできない時、
・「論理的な要因」
・「心理的な要因」
いずれか、または両方によって
決断をできなくなってしまいます。

決断できない論理的要因
・判断に必要な情報が足りない。
・情報の根拠が弱い。
・そもそも判断基準が無い

決断できない心理的要因
・失敗への恐怖
・実行への自信の欠如
・反発への不安

決断できない要因

次の章から一つずつ解説していきます。

皆さん、もしくは周囲の方が
決断できていないときは、
どの要因で決断ができていないかを
断定することができれば、
決断するための道筋が見えてきます。

決断できない「論理的な要因」

論理的な要因により決断できない場合は、
決断のためのロジックにおいて、
足りないものを補うことで
決断を行うことができます。

決断のロジックの欠如 
①判断基準が無い

物事を決めるうえで、
決めるための「基準」が無いと
人は決断をすることができません。

この、「判断基準が無い」というのは
あり得無さそうで、実はよくある事象で
判断基準が無いことは、
決断できない理由の意外な盲点です。

そもそも、判断基準が無いと
情報がいくらたくさん有っても、
信憑性のある情報が有っても
決めることができません。

例えば、資格試験や入学試験などで…

・60点以上が合格

・上位50人が合格 など、

といったような「合格ライン」
=「基準」が定められていない状態では、
誰を合格にするかという判断ができず、
合格者を決めるという
「決断」ができなくなってしまいます。


仮に、基準無しに決断を行うと、
「どうしてこの人が合格なのか」という
根拠が示すことができず、
「決断」が根拠のない物と
なってしまいます。

また、決断の基準が無いと、
「毎回、決断の基準が変わる」状態となり、
決断の基準が、その時々の
人の性格や心情によって変わってしまい、
組織や個人を混乱させてしまいます。

このような状態では、
決断を行う組織のトップや上司は、
部下から次のように
思われてしまうでしょう。

あの人は気分屋だ。
気分で物事を決める。

判断基準の設け方 i)目的を意識

判断基準が無いのであれば
判断基準を作りましょう。

とはいえ、どう作ればいいのか。
基準は一人で作れるものではありません。

では、どのように判断の基準を
設ければよいのか。

そのカギとなるのは、
その業務の「本来の目的」です。

業務の「本来の目的」に
沿っているかどうかを基に
判断の基準を定めていきます

判断基準の設け方 ii)基準の共有

業務の決断するための判断基準は
①組織内のメンバー と
②組織とその上層(1つ上の管理者)の
2つの関係者と協議して定めましょう。

①の組織内で判断基準を統一しても
②の間で判断基準の認識に差が有ると
せっかく判断基準を基に決断をしても
その決断を上申した際に、
その決断が覆されることになります。

判断基準の設け方 iii)基準の具体化

この時、注意すべき点は、
決断に必要な要素を洗い出し、
それぞれの要素に対して
可能な限り具体的に基準を
定めていくことです。

決断の要素基準を設けるためのポイント
組織の方針その決断が組織の存在意義に
沿っているか?
反していないか?
業務の目的その決断によって、
業務本来の目的の達成に
支障が出るか?
裁量の範囲担当者がどこまでの決断が可能か。
どこからが上層部の決断になるか。
対象への影響その変更を行った場合、
設備の運転・保守に不具合は無いか。
メリット・変更によって●●万円の
 コストメリットがある。

・変更によって●●時間の
 作業効率化ができる。
損失や
リスク
・現状維持をした場合に
 ○○万円/○○時間の
 ロスが発生する。

・現状維持をした場合に、
 まだ発生していない不具合の
 潜在的なリスクがある。
コスト面メリットや損失、リスクを基に
この案件に○○万円までなら、
投資しても良い。

具体的にしていくコツは
こちらの記事をご参照ください。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

判断基準を設けるメリット

決断に必要な判断基準。
この判断基準を設けておくと、
仕事を進めていくうえで
色々なメリットが有ります。

メリット①
・決断する際に迷わなくなる

予め判断基準を定めておけば、
決断する場面に出くわしても
基準に従って決断を行えばいいので
迷うことが少なくなります。

メリット②
・決断の根拠がブレなくなる。

予め判断基準を定めておけば、
決断の根拠が変わることが無いので、
いつも、同じ基準で
決断をすることができます。

言い換えれば、
決断が標準化されている状態
言えます。

組織で決断のための
判断基準が定まっていれば、
「気分屋の管理職」は
きっといなくなるでしょう。
(いなくなれ!…っと切望)


メリット③
・部下に決断を任せられる。

決断のための判断基準が有る状態
=決断が標準化できている
 ということ。

業務と同様、決断も標準化できていれば、
部下に、作業を行うことだけでなく、
「決断をすること」も任せられます。

上司

あなたに任せますよ。
判断に迷ったときは、
この基準を基に
決断してくださいね。

この判断基準で
カバーできないことは
責任者の私に相談してね。

といった具合に、判断基準があれば
業務の決断も任せることができ、
一人ひとりができることが増えて
組織の総合力は向上します。


また、管理者もすべてを自分で
決断しなくて良いので、
負荷が分散できる
でしょう。

決断のロジックの欠如 
②判断に必要な情報が不足

決断をする/決断をしてもらう上で、
判断の材料となる情報が必要となります。

前述の判断基準が定まっていれば、
判断する/判断してもらうために
必要な情報は、自ずと明らかに

なるはずです。

判断基準を基に、
「どのような情報が必要か」を考え
集めていくことで、
必要最小限の労力で
決断を行うことができます。

決断に必要なモノは何か。
業務の目的や判断基準から
考えていきましょう。

決断のロジックの欠如 
③情報の根拠が弱い

決断に必要な情報を取捨選択する際、
その情報がどこから出てきたものか。

すなわち、根拠となる情報の根拠も
重要となります。

もし、あなたが決断する立場で、
部下が何かしらの情報を持ってきたら
以下のようなことを
気にするのではないでしょうか。

このコメントは
誰が言ったのか。

この数字はどこから
引用したデータか?

この統計は、どの層を相手に
何人を対象としたのか?

 

このように、決断に際して、
判断材料となる情報の「根拠」が
しっかりしているか どうかは
とても重要です。

皆さんも「決断する」、
「決断してもらう」際には
次のことを意識してください。

・その情報は判断基準に
 即したものか。

・その情報は確からしい物か。
 情報の引用元も
 明らかにしておく

テレビなどでも良く使われる
テクニックです。

情報に根拠を
持たせたい場合、
「△△の専門家である
 ●●大学教授」を
コメンテーターにすれば
情報の信ぴょう性が
高いように感じますよね。

ただし、情報の根拠に信憑性を
持たせるということにおいて、
落とし穴があります。それは、

「専門家が必ずしも
 正しいという保証はない」

ということです。
良い意味で「臆病」になることも
時には重要です。

情報に対して、現場・現物を
自分の目で確かめて
直感と思考の乖離を埋めていきましょう。

決断できない心理的要因

ここからは心理的要因について
解説します。

上記のテクニックを用いて、
論理的に決断のための
材料を集めたとしても

「いくら情報を集めても
 決断できない人」がいます。

それはなぜか。

そこには、
「決断できない心理的要因」が
関係しています。

具体的には、前述した
下記のような要因が該当します。

・失敗への恐怖
 →失敗したら怒られる。
 →ペナルティがある。

・実行への自信の欠如
 →この方法を「実行」して、
  大丈夫か?

・反発への不安
 →出した「決断」を
  反対されないか?

 →その「決断」に対して
  不平不満が生じないか?

これらに対しては、
2つの対処法が有ります。

心理的要因の排除:情報の補足

決断を行う際に、
・実行への自信の欠如
・反発への不安 といった
決断を行えない心理的要因が
生じて、決断を行えない場合、

その一つの要因として、
「判断材料が不足していることに
 気付けていない。または、
 頭の整理ができていない。」

といったパターンが有ります。

このパターンの場合は、
前述の「決断の基準は何か」と
「基準のふるいにかけるうえで
 必要な情報は何か」を
冷静に考えて、情報を補填していきます。

そのように考えていくうえで、
決断ができない心理的な要因が
論理的な要因と変化し、
その要因を排除していくことができます。

心理的要因の排除:慣れ!!

言われてみればシンプルですが、
決断することに対する「慣れ」も重要です。

いくら情報が有っても

なんとなく心配だから
決めることができない。

といったような経験、
あるいは周囲の方の言動を
体験したことは有るでしょうか。

このパターンに入ってしまうと
延々と決断ができないまま
業務が進まないといった
状況に陥ってしまいます。

このパターンの最適最良な処方箋は
「決断を重ねて慣れる」。
荒療治ですが、これが最善です。

決断の先には成功も失敗も待っています。
それは、大きな成功/失敗であったり
成功と失敗が同時に起きたりと
想定しがたいものが待っています。

だからこそ、
「決断の結果を予測しても外れる」し、
「決断の結果を心配は杞憂」と言えます。

踏ん切りをつけて決断を繰り返して
「良い経験をした。」、
「思ったほど反発や否定が無かった」と
いう経験をたくさん積んでいき、
「決断をする」ということに
慣れていくしかないのです。

業務では、多少の叱責は有っても
命まで取られることはありません。
思い切って決断していきましょう!

心理的要因の排除:チームの助け

皆さんが決断する側の立場の場合、
周囲には部下や後輩、同僚といった
様々な方と共に業務を進めていると
思います。

もし、自分が失敗しても
「仲間が助けてくれる」環境であれば
決断による失敗への恐れは
緩和されるかもしれません。

周囲の方と相互に信頼関係を築き、
良好な関係を保っていくことも
決断ができるようになる
1つの要素かもしれません。

まとめ

「決断」とは

けつ‐だん【決断】
[名](スル)
1 意志をはっきりと決定すること。
 「―を迫られる」「転職を―する」

2 正邪善悪を判断・裁決すること。

デジタル大辞泉(小学館)


決断できない要因

決断できない要因


「論理的な要因」

①判断基準が無い
→目的を意識し判断基準を設ける
→周囲、上層部と基準を共有する
→基準は具体的に定める

②判断に必要な情報が不足
→判断基準を基に
 必要な情報を集める

③情報の根拠が弱い
→情報の根拠を意識する

決断できない心理的要因

・失敗への恐怖
 →失敗したら怒られる。
 →ペナルティがある。

・実行への自信の欠如
 →この方法を「実行」して、
  大丈夫か?

・反発への不安
 →出した「決断」を
  反対されないか?

心理的要因の排除

・情報の補足
→情報を補って不安を解消

・決断に慣れる
→経験して不安を解消

・チームの助け
→仲間が支えてくれるという
 安心感で決断

いかがでしたか?

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  • この記事を書いた人

いわたさん

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